米国債(アメリカ国債)の買い方は?
利回りも高く複利運用で長期投資
今回は米国債の話をです。私もかれこれ2014年位からやっております。
仮に私が親族や友人に長期投資何が良い?と聞かれたら即答でこう答えると思います。
『本気で長期投資するなら、米国債でしょ!』
シンプルにこれが結論です。
今回は債券の話です。
ちょっと初心者の方には分かりにくいかも知れません。何故なら、私自身かなり理解するのと購入までのシステムに慣れるのに時間掛かったからです。
しかし全体像が分かれば簡単だし、低リスクの意味も理解頂けると思います。
本気で長期投資をお考えの方。そんな方に向け気合い入れて書きますので最後までお付き合い下さい。
アメリカが発行する債券。
米国債(ゼロクーポン)とは?
債券と言っても色々種類があります。
この記事で私が勧めているのはゼロクーポンや、ストリップス債と呼ばれる債券です。
まずはここを理解しましょう。
通常の債券の場合
通常の債券だと、年●%利息だしますよーだから買って下さいねー
っと言うのが一般的な債券。
金利は固定と変動とありますが、最低保証として1年で0.05%の利息が貰える。
100万円買ったら500円受け取れます。
それで、3年後の償還(満期みたいなイメージで、その日になったら元本が返ってきます。この場合100万円)
つまり、3年で500円×3=1,500円の利息が得られます。
ゼロクーポン、ストリップス債の場合
対してゼロクーポン、ストリップス債の場合は、年間の利息は全く付きません。0です。ゼロ。
その代わりに、利息分(複利)を見越して買う時に割引になっています。
例を出したら分かり易いと思います。
例えば10年後に100万円償還(満期)を迎える債券があるとします。
10年後に100万円を受け取れるんですが、金利分として先に現在価格が安くなってます。
例えば現在価値60万円としましょう。今60万円で買って、10年後の償還日に100万円になって返ってくる。
これが、ゼロクーポン(毎年の利息が0なので)ストリップス債(元本と利息が分かれているから)と呼ばれている債券になります。
これが、リアルな米国債の購入画面です。
見方を説明。2031年2月15日になったら100%になって戻ってくる債券を現在だと75.45%で買えるって事です。
在庫があれば金額は選べるので、例えば75万4500円分を今買ったら上記期日まで持ち続けるとに100万円になるって事です。
つまり、約25万円分が利息で受け取れる事になります。
現在2019年5月なので、償還日は今から約12年後の話になります。
単純に計算してみます。25万の利息÷12年=毎年2万円ちょっとの利息になります。つまり100万円の投資で約2万円なので、年利約2%となりますよね?
この例題の2.4%の部分が利息表記になります。
ゼロクーポン、ストリップス債は毎年の利息の受け取りは無い分、先にその分をディスカウントして買える。そんな債券の事を指します。
伝わりましたでしょうか?
実際に長ければ長い程、複利の効果が出るのでディスカウント率も大きくなります。
実際は外貨ベースで考えるので”更に”話が難しくなります。
先ほどは、分かり易い様に円ベースで話ました。
米国債なので、扱いはドルになります。
この債券の内容をもう一度説明すると2031年2月15日に償還される債券を1000ドル単位で購入出来る。
つまり、今買うと割引になって754.5ドルで買って、償還日に1000ドルになって戻ってくるって訳ですよ。
ですので、将来のドルのレートによっても受け取れる金額は変化するので為替差損が出るので注意です。
米国債(ゼロクーポン)投資のリスク。
元本割れの可能性はかなり低い。
先程、債券を安く買える話を説明しました。
元本割れのリスクを考えてみましょう。
具体的な試算は日興証券の中のこのページでシミュレーション出来ます。
実際の画面で説明してみます。
例えばこの債券をクリックすると下記の画面にいきます。
これは為替差損を考えたシミュレーションになります。
この場合、2047年5月の段階でドル円が51.2円になってたらトントン。
それ以下になっていたら損するって事です。
さすがに2047年にどうなっているかなんて誰にも分からないと思います。
しかしドル円51円って事はさすがに…
ですので、米国債だけで無く外国債券を買う場合は為替の差損も加味しなければなりません。
それと注意点としては長い物を買う事です。
短い債券は買うメリットがほとんどありませんし、為替差損で一発アウトになる可能性が高いです。
米国債(ゼロクーポン)を購入するには証券会社を通します。
証券会社の紹介…とは言え現状は一択でしょう。
結論から、現状2019年5月では『日興証券』がおすすめです。。
※日興証券さんから何か頂いてる訳ではありません。1円もお金になっておりませんのであしからず。
まず、在庫数が違う。大和証券と日興証券が圧倒的。
SBI証券や楽天証券、マネックス証券でも買える事は買えますけど、在庫数が少ないです。
とにかく選択肢が無い。
イメージ的に中古オークションと同じと思ってもらえば良いです。
在庫数は大事です。
大和証券は、数も多くて良いんですが、債券を取引するに辺り年会費が必要になります。
3,240円掛かります。なんでやねーん。
年会費さえ無くなれば大和証券も選択肢に入りますね。
圧倒的な数!!
しかも、償還期間も長いのから短いのまで豊富豊富。さすがです。
休憩兼ねて、少し脱線します。
たまたまこんなのを発見してしまいました!
我らがトルコリラ建ての債券!
同じ様にシミュレーション掛けてみました。
まじっすか!と言いたくなる驚愕の21.26%の利回り!米国債が約2%なので10倍…
ほんとトルコ転覆でしょう。間違いない。異常だもん。
2年3ヵ月物で21.26%です!強烈過ぎます。
しかし、為替の損益分岐点は12.66円
2年3ヵ月後とはいえ為替リスクと、円をリラに交換するスプレッド等を考えると、論外。検討に値しないでしょう。
私的にトルコリラ円は5円になると思っておりますので。
こんなマニアックな債券もあるよーってご紹介でした。
話を戻して
そんな訳で、日興証券だとトルコリラ建ての債券も扱っていたり、他にもこれだけの通貨建ての債券を扱っています。
外国債に対する気合が違います!
ただ、私的には、現状では米国債以外の投資は考えておりません。
興味ある方は、色々調べてみて下さい。とても魅力的な債券が見つかるかもしれません。
ただ、繰り返しになりますが、現地の通貨建てになるので、ちゃんと償還されても為替差損で損が出る可能性も十分に考えられます。
長期の米国債(ゼロクーポン)を購入する狙いと戦略。
少し、株式の塩漬けと近い感じがありますが、決定的に違う事。
トヨタと、アメリカどちらが破綻する可能性高いですか?
って事です。
…以上。
分かりずらいですねー
圧倒的にアメリカの方が破綻する可能性は低いでしょう。
国ですからね。仮にアメリカがデフォルトしたらそれこそ世界経済の終わりと考えて良いのではないでしょうか?
株式会社だったら大手でも倒産しますからね。
国債の戦略としては、自分が円高だ!と思った局面で少しづつ買っていく。そして暫く保有。
債券の価格自体は償還に向かって上がります。
ただ、日々債券の価格の上げ下げがあり、そこに為替の上げ下げが絡むので非常に複雑です。
ですので、買ってからマイナスになっていけば開き直って「償還日まで持つ」って作戦です。
先ほど説明した通り、仮に含み損の状態が続いても償還日に損益分岐点以上の為替レートになっていたら損する事はありません。
長期の目線、長期のトレードになります。
逆に一気に円安に進んだり、債券価格が上がったりした場合は、利確して撤退もOK
私的にはそんな戦略で考えてます。
まとめると、仮に買ったタイミングを失敗しても償還日まで持ち続ける気持ちがあれば、まぁ損する事は無いでしょう。
損しないとは言え20年とかの超長期スパンでの話になります。
その間、投資資金が拘束されるので、仮に数年後チャラだったら損してる事にはなるんですけど、そこは計算に入れてません。
しかし色々な角度から計算してみても、低リスクだと思っております。
以上が私が米国債投資の戦略と好きな理由です。
米国債購入のリスクを改めて考えてから検討しましょう。
主なリスクは2点。
①アメリカがデフォルトして、国債が償還されない。
②ドル円が損益分岐点レートを下回る。
そもそもアメリカがデフォルトしたら、投資している投資家全て海の藻屑と化するでしょう。(私を含め)
しかし起こらない事が起こるのが相場。怖いですねー
しかし、アメリカのデフォルトはもう=世界崩壊って事で良いのでは無いでしょうか?
米国債の含み損益公開。
今後も継続してこのブログで公開していきます。
※2019年4月末の時点での損益になります。
見方としては上が2036年物。下が2039年物。
2種類で合計13,000ドルの債券を持っている事になります。
このまま上記年数まで持ち続けたら13,000ドルGet 現在レート111円と仮定すると1,443,000円。
現在価値は863,934円って事です。
評価損益は買った時点から考えての含み損益になります。
2017年はかなり含み益出てましたが、2018年は逆に含み損。
現在はまた含み益となっております。
これに関しては、米国債の価格とドル円のレートの掛け算なので、振れ幅は大きくなります。
最新の損益情報はこちらからご覧になって下さい。毎月更新しております。
米国債関連で、おすすめの書籍を一冊紹介
2014年頃から色々な投資を行っていますが、この本と出合ってから米国債(ゼロクーポン)投資を始めました。
証券会社が積極的に営業しない商品=証券会社が儲からない。
あまり米国債の投資話が出ない理由の一つとも言われてます。その辺の事が詳しく書かれていて、衝撃を受けました。
米国債との出会いの一冊です。
リンク貼っておきますので、良ければチェックして見て下さい。
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まとめ
一体何人の方が最後までお付き合い頂けたのか…かなり不安ではあります。
固い投資ではあるんですが、金投資と同じでとても地味です。値動きも株式みたいに派手さもありません。
私的には、戦略的に失敗したら株の塩漬けの様な感覚で、償還(償還日近く)まで持ち続ければ負ける事は無いかなーと思っております。
また、ドルの現物で償還されるので償還される時が円高だと思えばドルで保有し続けても良いし、ドルで受け取って別の債券に乗り換えても良いし。
いずれにせよ、冒頭で書きましたが、長期投資でホントにおすすめするなら米国債だと思っております。
ただ、円をドルの現物に変えて債券選んで買ってー・・・と中々一筋縄ではいきません。債券の理解、リスクの許容も必要です。
そして、何より長期投資です。数年単位のゆったりしたトレード感覚が必要になります。
投資に絶対は無いですし、米国債買うにしても徹底的に調べて下さいね。
そして自分なりのルールと言いますか目的や戦略を持って取り組んで貰えれば良いかなーと思っております。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。